守屋前次官再逮捕。官民癒着に思うこと
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今年は、官民癒着も大きく取沙汰された年でした。
先般、防衛省の守屋前事務次官夫妻や山田洋行役員が逮捕され、昨日、守屋氏は再逮捕となりました。
8月にも、厚生労働省前九州厚生局長が社会福祉法人前理事長から金品提供を受けていたことが問題になりました。
官民癒着と言われる行いについては、昔の方がはるかに大っぴらに為されていたような気がします。
私が衆議院議員に初当選したのは平成5年でした。
当時は、銀行には「MOF担」と呼ばれる職員が居て、大蔵官僚を派手に接待していたものでした。
また、有権者からの電話も、今では信じられない内容のものが多かったことを記憶しています。
建設会社からは「何とか建設省の幹部から底札を聞き出してくれ」、夜中に電話が鳴ると「今、飲酒運転で捕まった。警察に話をつけて違反をもみ消してくれ」といった具合です。
お断りすると、「お前のような役に立たない国会議員は、2度と応援しないからなっ」と怒鳴りつけられたものでした。
ところが、多くの法整備のお陰で、3期目になった頃には、そのような困った依頼事は
激減しました。
まずは、平成11年の「国家公務員倫理法」(平成17年改正)です。
これは、国家公務員の「職務や地位の私的利益のための利用禁止」「国民の疑惑・不信を招く行為の禁止」を規定した法律でした。
これを受けて、平成12年には、「国家公務員倫理規定」という政令ができました。
この倫理規定は平成17年に改正され、現在では、「国家公務員が利害関係者と麻雀や旅行やゴルフをすること」は、例え公務員側が費用を自己負担したとしても、許されないこ
ととされています。
守屋氏は、事務次官として平成17年の倫理規定改正に自ら関わっていたにも拘わらず、不適切な行動をとったことになります。
また、平成18年6月に取りまとめられた「防衛施設庁入札談合等再発防止に係る抜本的対策報告書」は、「原則、OBを含む利害関係者との接触禁止」を記述していますが、これも、守屋次官の下でまとめられた報告書です。
「国家公務員倫理規定」では、「利害関係者から金銭貸付を受けること」についても、公務員が通常の利子を払ったとしても許されません。
「酒食・物品贈与・不動産贈与・不動産無償貸付」も禁止されています。
また、相手が古くからの友人であるなど「私的な関係の利害関係者」であったとしても、「国民の疑惑や不信を招く恐れがある場合」は、同様の関係は禁止されています。
平成13年には、「公共工事入札適正化法」(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)が施行され、「談合・丸投げ」は排除されました。
そして、平成15年の「官製談合防止法」(平成19年改正:入札談合等関与行為防止法)で、「発注に係る秘密情報漏洩」と「談合幇助」は防止されることとなりました。
国会議員1期目、2期目の頃に困り果てていた依頼事の類は全て「違法行為」ということになり、今では法律の内容を説明して堂々とお断りできるようになりました。
それでも、時々、理解して下さらずに激怒される方も居ますが・・。
事件の再発防止策ですが、法整備はかなり進んでいますので、とにかく「法令遵守」を徹底することが何より大切であるのは言うまでもありません。
更に、公務員退職後の就職先となり得る企業に便宜を図るというケースも多いかと思いますので、公務員の早期退職制度の廃止も十分に検討すべきだと思います。
特に制服自衛官の退職は、民間企業に較べて早過ぎます。防衛の第一線で働ける体力の問題とも聞きますが、他省庁も含めると国民の安心・安全を守る為の人員が不足している場は多く、政府内で自衛官の知識・能力を活かせる職務は多いと思います。
公務員と業者の宴席に国会議員が同席したかどうかということも問題になりました。
政治家も官僚も昼間は慌ただしくしていますから、夕食時に意見交換をすることは珍しくありませんし、政治家が選挙区で企業経営者と懇談して生の声を伺うことも必要な機会だと思います。ただし、場所の設定に費用が発生した場合には、割り勘が原則です。
守屋前次官と山田洋行のケースでは、防衛省装備品の輸入に商社を介入させていることが問題だという指摘もありました。
しかし、防衛省が無理に商社を介入させているのではなく、海外メーカーが商社と代理店契約をしているため、商社を通さないと購入できないという現状もあります。
オーストラリアやドイツはメーカーから直接購入しているようですが、日本も直接取引を希望するのであれば、海外メーカー側が日本政府との取引に商社を介在させようとする理由を分析しなくてはなりません。日本語の壁、日本の法令や商習慣、アフターサービスなどが理由なのでしょうか。
直接取引の障壁が改善可能なものなら、改善しても良いと思います。ただし、価格調査や交渉ができる語学堪能な自前の人材確保も必要になってくるかと思います。
先般、防衛省の守屋前事務次官夫妻や山田洋行役員が逮捕され、昨日、守屋氏は再逮捕となりました。
8月にも、厚生労働省前九州厚生局長が社会福祉法人前理事長から金品提供を受けていたことが問題になりました。
官民癒着と言われる行いについては、昔の方がはるかに大っぴらに為されていたような気がします。
私が衆議院議員に初当選したのは平成5年でした。
当時は、銀行には「MOF担」と呼ばれる職員が居て、大蔵官僚を派手に接待していたものでした。
また、有権者からの電話も、今では信じられない内容のものが多かったことを記憶しています。
建設会社からは「何とか建設省の幹部から底札を聞き出してくれ」、夜中に電話が鳴ると「今、飲酒運転で捕まった。警察に話をつけて違反をもみ消してくれ」といった具合です。
お断りすると、「お前のような役に立たない国会議員は、2度と応援しないからなっ」と怒鳴りつけられたものでした。
ところが、多くの法整備のお陰で、3期目になった頃には、そのような困った依頼事は
激減しました。
まずは、平成11年の「国家公務員倫理法」(平成17年改正)です。
これは、国家公務員の「職務や地位の私的利益のための利用禁止」「国民の疑惑・不信を招く行為の禁止」を規定した法律でした。
これを受けて、平成12年には、「国家公務員倫理規定」という政令ができました。
この倫理規定は平成17年に改正され、現在では、「国家公務員が利害関係者と麻雀や旅行やゴルフをすること」は、例え公務員側が費用を自己負担したとしても、許されないこ
ととされています。
守屋氏は、事務次官として平成17年の倫理規定改正に自ら関わっていたにも拘わらず、不適切な行動をとったことになります。
また、平成18年6月に取りまとめられた「防衛施設庁入札談合等再発防止に係る抜本的対策報告書」は、「原則、OBを含む利害関係者との接触禁止」を記述していますが、これも、守屋次官の下でまとめられた報告書です。
「国家公務員倫理規定」では、「利害関係者から金銭貸付を受けること」についても、公務員が通常の利子を払ったとしても許されません。
「酒食・物品贈与・不動産贈与・不動産無償貸付」も禁止されています。
また、相手が古くからの友人であるなど「私的な関係の利害関係者」であったとしても、「国民の疑惑や不信を招く恐れがある場合」は、同様の関係は禁止されています。
平成13年には、「公共工事入札適正化法」(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律)が施行され、「談合・丸投げ」は排除されました。
そして、平成15年の「官製談合防止法」(平成19年改正:入札談合等関与行為防止法)で、「発注に係る秘密情報漏洩」と「談合幇助」は防止されることとなりました。
国会議員1期目、2期目の頃に困り果てていた依頼事の類は全て「違法行為」ということになり、今では法律の内容を説明して堂々とお断りできるようになりました。
それでも、時々、理解して下さらずに激怒される方も居ますが・・。
事件の再発防止策ですが、法整備はかなり進んでいますので、とにかく「法令遵守」を徹底することが何より大切であるのは言うまでもありません。
更に、公務員退職後の就職先となり得る企業に便宜を図るというケースも多いかと思いますので、公務員の早期退職制度の廃止も十分に検討すべきだと思います。
特に制服自衛官の退職は、民間企業に較べて早過ぎます。防衛の第一線で働ける体力の問題とも聞きますが、他省庁も含めると国民の安心・安全を守る為の人員が不足している場は多く、政府内で自衛官の知識・能力を活かせる職務は多いと思います。
公務員と業者の宴席に国会議員が同席したかどうかということも問題になりました。
政治家も官僚も昼間は慌ただしくしていますから、夕食時に意見交換をすることは珍しくありませんし、政治家が選挙区で企業経営者と懇談して生の声を伺うことも必要な機会だと思います。ただし、場所の設定に費用が発生した場合には、割り勘が原則です。
守屋前次官と山田洋行のケースでは、防衛省装備品の輸入に商社を介入させていることが問題だという指摘もありました。
しかし、防衛省が無理に商社を介入させているのではなく、海外メーカーが商社と代理店契約をしているため、商社を通さないと購入できないという現状もあります。
オーストラリアやドイツはメーカーから直接購入しているようですが、日本も直接取引を希望するのであれば、海外メーカー側が日本政府との取引に商社を介在させようとする理由を分析しなくてはなりません。日本語の壁、日本の法令や商習慣、アフターサービスなどが理由なのでしょうか。
直接取引の障壁が改善可能なものなら、改善しても良いと思います。ただし、価格調査や交渉ができる語学堪能な自前の人材確保も必要になってくるかと思います。