コラム

  1. TOP
  2. コラム
  3. 4期目の永田町から(2) 平成19年9月~平成21年8月
  4. 北朝鮮への制裁措置延長が閣議決定されました

北朝鮮への制裁措置延長が閣議決定されました

更新日:

 多くの方から、福田内閣の北朝鮮政策について、ご質問のお便りやメールをいただきました。
 特に多かったのは、「安部内閣は『対話と圧力』という方針でしたが、福田総理は、北朝鮮への『圧力』を止めて『対話』ばかり重視するのではないでしょうか?」「『東アジア共同体』を作ると言っておられるようですが、北朝鮮拉致問題が解決する前に『日朝平和条約』を結んだり、経済援助をしてしまうことはないのでしょうか?」といった趣旨のお尋ねでした。

 本日の閣議で、福田内閣は「対北朝鮮制裁措置の再延長」を決定しました。つまり「圧力」の継続です。

 日本政府は、昨年、北朝鮮の弾道ミサイル発射や核実験実施発表を受けて、2度に渡って制裁措置を発動しました。
 特に、昨年10月の核実験実施を受けて安倍内閣が決定した制裁措置は、「すべての北朝鮮籍船舶の入港禁止」「北朝鮮からのすべての品目の輸入禁止」「北朝鮮籍者の入国の原則禁止」という厳しいものでした。
 
 このうち、「全船舶入港禁止」と「全品目輸入禁止」については、閣議決定に基づいて6か月間の期限が定められていました。
 今年4月13日の期限到来に伴って6か月間の期限延長を行いましたが、今月13日に再度期限が到来しますので、更に両措置を6か月間継続するための閣議決定がなされたのです。今後、20日以内に国会に付議して、国会の承認を得る手続きが取られます。

 町村官房長官のご発言や、10月1日に衆議院本会議場で行われた福田総理の所信表明演説を聴く限り、福田内閣の北朝鮮に対する姿勢は、安倍内閣の基本路線と大きくは変わらないように思えます。

 北朝鮮の核問題については、「全ての核兵器及び既存の核計画の放棄に向け、努力する」「北朝鮮の非核化に向けて、六者会合の場などを通じ、国際社会との連携を一層強化する」という方針ですし、拉致問題についても、「一刻も早い解決を目指す」「拉致問題の解決無くして国交正常化無し」「対話と圧力」ということですから、安倍内閣時代と同じ文言です。

 拉致問題については、今月の六者協議では全く進展が見られず、大変困難な状況にありますが、9月の日朝作業部会では、「問題解決にむけた具体的行動につき協議し、実施していく」ということだけは一致しています。
 今後、この「具体的行動」の協議については、十分な作戦を練って、厳しく臨んでいただきたいと願っています。
 少なくとも、北朝鮮側に、拉致実行犯の引渡しを求めたり、日本からの拉致問題調査団の派遣を求めたり、より具体的な情報収集に繋がる動きが必要ではないでしょうか。
 2002年の日朝首脳会談では、金正日氏から「(拉致)関係者については既に処罰した」との発言がありましたが、日本の刑法は「属地主義」ですから、犯人の引き渡しを受けた場合は、国内の外国人犯罪として訴追できます。実行犯の取り調べによって、新たな情報が出てくる可能性は非常に高いと思います。

 また、在米国大使館には、米国共和党の強硬派や民主党の人権派への働きかけも十分に行っていただきたいと思います。国交正常化までは一切の経済支援を行なわないことを、内閣で確認することも大切でしょう。

 福田総理は、自分の任期中に拉致問題を解決したいという決意を表明されました。恐らく、具体的な打開策を胸に秘めてのご発言かと思います。どんな秘策があるのかを知り得る立場にはありませんが、福田内閣の行動を注視していきたいと思います。

前のページへ戻る

  • 自民党
  • 自民党奈良県連
  • リンク集