地方における外国製ドローン調達への懸念
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過去5年程は、総務大臣、コロナ禍、政調会長、経済安保担当大臣…と続き、諸事情から選挙区の行事には殆ど参加できませんでしたが、今年は久々に多くの団体や地区の年始行事に出席することができました。
数カ所の消防出初式にも伺ってきました。
昨年内に成立した補正予算には、「都道府県の消防学校で消防団員に対するドローンの操縦講習及びドローンから伝達された映像情報を元にした災害対応講習を実施」という施策が含まれていました。
26府県で実施しており、これを全都道府県で実施するというものです。
山林火災や広域災害の発生時にドローンは大いに役立ちますし、消防団で身に付けたドローン操縦技術は多様な産業でも活かせますから、有意義な事業です。
しかし、私が不安に思い、昨年から政府機関の幹部に相談していたのは、地方公共団体等(消防本部含む)が調達するドローンの多くが外国製品になってしまうのではないか…ということでした。
サイバーセキュリティ上の懸念から指摘したことです。
操縦不能や機体乗っ取りによる業務継続性の逸失リスクは、人命に関わります。
飛行記録データやカメラやセンサーから収集される情報の窃取・漏洩も考えられます。
調達時のみならず、事後的なソフトウェアの書換えによって、機能制限や乗っ取りが可能になるという特質もあります。
国の行政機関・独立行政法人等については、『政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針について』(令和2年9月14日)という関係省庁申合せがありますので、調達の際には前記したようなセキュリティ上のリスクについて十分に考慮することになっています。
地方では、中国製ドローンがかなり調達されていることが確認されています。
「地方自治」は尊重されるべきということから、地方公共団体等は、国の政府機関等の調達方針申合せには拘束されません。
それでも、公共の安全や人命に直結する業務に使用するドローンの調達については、セキュリティ上のリスクも考慮して頂けると有難いなと思っています。
奈良県でも年末年始に火災が相次ぎ、消防職員や消防団員の皆様の多大なご尽力に深く感謝申し上げています。