新型宇宙船「スターライナー」での有人地球帰還断念
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8月24日、米国航空宇宙局(NASA)より、今年6月に国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした米国ボーイング社の新型宇宙船「スターライナー」が、安全性を重視し、有人ではなく無人で地球に帰還すること、従って、同船で帰還する予定であった2名の搭乗員は来年2月までISSに滞在し、スペースX社の宇宙船「クルードラゴン」により帰還する予定である旨、発表がありました。
このことに関し、米国の開発主体がNASAから民間主導に転換する中での打撃であり、今後の米国による宇宙開発の遅れが懸念されるとの報道もございます(8月26日付日経朝刊1、3面)。
今後も動向を注視してまいりますが、我が国としては、引き続き、米国などと連携し地球低軌道活動を進めていくとともに、昨年度創設した宇宙戦略基金も活用しつつ、民間企業などによる宇宙の開発や利用を着実に進めていくことには変わりはございません。
熾烈な国際競争の中で、難易度の高い宇宙開発を進めていくためには、やはり、JAXA、民間企業、大学が失敗を恐れずにチャレンジすること、また、完全に成功と行かなかった場合でも、データを集め次に活かすことが重要です。
こうした認識の下、産学官による宇宙開発と利用の拡大に向けた取組をしっかりと後押ししてまいります。
我が国が参画する国際宇宙ステーション(ISS)の今後の計画への影響ですが、今回のNASAの発表を受けて、「スターライナー」の実用化への遅れは避けられないと思いますが、開発は継続するものと承知しています。
また、引き続き当面は、有人宇宙飛行には、「クルードラゴン」宇宙船を使用していくことになると理解しています。
今後もJAXAと国際パートナーとの国際調整を通じて、後続ミッションを応援してまいります。