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国会議員の歳費削減

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 昨年末あたりから「国会議員の歳費削減」の議論が国会内でもなされ、まずは、1年間10%減額の方向で決まる様子です。
小泉内閣の「痛みを伴う改革」で、当面は企業倒産も増える見通しですし、景気対策は打たない様ですので、給与やボーナスを減らす企業も多いはず。国会議員だけが景気に関係なく定額の歳費を戴ける状況ではありませんから、私も歳費削減には賛成です。
 しかし、若手議員の多くはかなりのダメージを受けるのも事実です。ある会合で隣合わせた若い議員が、「ホンネのところ、歳費削減反対議員連盟でも作りたい気分。そんなことしたら政治生命は完全に終わっちゃいますけどね」なんてボゾボゾ言っておりました。
 「バカ言ってんじゃないわよっ」と笑い飛ばしたものの、私自身だって歳費削減後は笑い事ではない状況になりそうです。先日も、高校の同窓会で会費7000円を払ったら、財布に2000円しか残らず、その後3日間はローソンの豚まん1個だけが1日の食事だったりしたもんなあ。


 月に135万5000円もの歳費を皆様の税金から戴きながら、なんでこんなに何時も貧乏なんだろう・・。
 税金を月に36万円余り引かれて、国会議員互助年金納付金は10万3000円引かれてる。ちなみにこの互助年金ってのは掛け金が高いのに、連続10年当選しないと掛け捨てになるという恐ろしいもので、9年目に落選した先輩議員が泣いてたっけ。その他、議員宿舎の家賃7万円余り、団体生命保険や宿舎のその他経費で5万円程。ここまでは個人的な差し引き分。

 この他、自民党本部に月7万5000円、派閥に月5万円、秘書会に2000円、予算や税制の為の各種議員連盟会費に約10万円、といった具合に自動的に引き落とされていくのです。
 極めつけが、選挙区で自分が支部長を務める自民党支部事務所の運営費。個人献金や団体献金で賄うしかないのですが、この不況で寄付して下さる方は激減しています。毎月大赤字なので、私の歳費を定期的に自民党支部に寄付することになります。
 ひと月の支部事務所家賃が50万円とスタッフ10名分の給与、光熱費、電話代。何よりかかるのが郵便代。「支部発行の政策レポートをもっと頻繁に発行すべきだ」とお叱りの電話も多いのですが、党費や後援会員に郵送するだけでも、印刷代や封筒代や切手代で1回あたり1000万円の支出に
 かくして、私が個人的に使える生活費は1ヶ月に5万円と決めるしかなく、美容院に行ったり歯医者さんに行ったり友人が結婚した月は「豚まん生活」となるのです。

 莫大な量の文書処理や地元の要望処理、招待を受けて出席できない公的行事への代理出席等を考えると、スタッフ数は減らせそうにないし、「献金は悪」「政治資金パーティーは悪」といった風潮の中で、毎月の支払いに頭を抱えているのが多くの若手議員の実態だと思います。

 米国下院議員の歳費は日本より少し安いのですが、国でお給料を払ってもらえる公設秘書が18名、選挙区人口の2倍分までの郵送費は国の負担、といった形で政策活動の個人負担が少ないのが特徴。また、予算や許認可の地方分権が進んでいる為、国家的課題以外は州政府の権限で、日本の様に市町村のインフラ整備まで国会議員が処理する必要がない事もコスト面では楽でしょう。

 今回は、もっと厳しい社会で頑張っておられる皆様のお叱りを承知で泣き言を書いてしまった!

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