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予算委員会質疑報告⑧:経済安全保障

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○高市委員

 昨年1月以降、私たちは、マスク、消毒液、また医療用ガウン、人工呼吸器、注射器、半導体など、様々な必要物資の不足を経験しました。

 米国では、国防生産法に基づきまして、昨年は、当時のトランプ大統領が、自動車メーカーであるGMに対して人工呼吸器の製造を命令しました。今年は、バイデン大統領が、メルク社に対して、ライバル会社のジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを製造するように命令をしました。しかしながら、大統領が命令をした場合には、しっかりとそれに必要な設備投資の費用というのは国費で手当てをされたと承知をいたしております。

 感染症にかかわらず、自然災害や紛争、テロなど様々な緊急時に、生活、医療、衛生、産業に必要な物資というものは国内で生産、調達する、そういう体制をつくっておくということは、リスクの最小化に不可欠であると考えておりますし、経済安全保障の大きな柱の一つだと思います。

 補正予算案には、経済安全保障の項目が設けられ、先端半導体の国内生産拠点の整備などが盛り込まれております。この半導体以外にも、多様な必要物資や原材料についても、例えば、生産協力企業への国費支援策の具体化ですとか、研究開発拠点、生産拠点の国内回帰を希望される企業への税財政支援などを検討して、国内製造基盤を強化する制度の構築が必要だと考えておりますが、経済安全保障担当大臣の御見解を伺います。

 

○小林国務大臣

 世界各国が戦略的物資の確保やあるいは重要技術の獲得にしのぎを削っている中で、経済安全保障の確保推進というのは喫緊の課題だと考えております。このため、総理を議長、そして官房長官と私を副議長とする経済安全保障推進会議の下で、まさに省庁一体となってこの新しい課題を取り組んでまいります。

 課題の一つがサプライチェーンの強靱化だと考えておりまして、コロナ禍におきましてもサプライチェーンの脆弱性が顕在化したことを踏まえまして、供給が途絶した場合に、国民生活ですとかあるいは経済活動に対して影響が大きい物資につきましては、安定供給を確保していく必要は当然あると考えております。

 御審議いただいております補正予算につきましても、今委員から御指摘のあった先端半導体について、国内生産拠点の確保のために6,170億円、そして、今後の感染症危機に備えまして、国産ワクチンの開発や製造を大きく前進させていくために、5,000億円規模の予算を計上します。

 こうした取組に加えまして、サプライチェーンの強靱化を含めた新たな法案につきまして、来年の通常国会への提出を目指して、まさに検討しているところでございます。現在、有識者会議も立てまして、産業界あるいはアカデミア、いろんな方々から御知見をいただきながら、様々な角度から議論をしております。

 こうした会議の議論も踏まえながら、委員御指摘の国内製造基盤の強化を含めまして、サプライチェーンの強靱化に向けて、民間企業の協力も得つつ、しっかりと必要な対策を講じてまいります。

 

○高市委員

 大いに期待をいたしております。

 気候変動が進む中で、厳しい気候にも耐え得る農林水産技術の開発を早期に着手することや、担い手の育成や、また需要に応じた生産の拡大など、食料自給力の強化をしておくということ、つまり、食料安全保障もリスクの最小化に資する重要な柱だと考えますが、農林水産大臣が新たに着手する予定の具体策はございますでしょうか。

 

○金子(原)国務大臣

 お答えいたします。

 我が国の農林水産業は、人口減少に伴う国内市場の縮小や農林漁業者の減少、高齢化などに直面しており、さらに、世界的な課題となっている気候変動にも対応していく必要があります。将来にわたりまして食料安全保障を確かなものにするためには、こうした課題に対処していく必要があります。

 このため、スマート農林水産業の実現を原動力としつつ、気候変動に適切に対応するための、みどりの食料システム戦略を踏まえた環境負担低減の取組を推進しまして、年々拡大していく世界の食市場を獲得するための農林水産物、食品の輸出促進等などによりまして、足腰の強い農林水産業を構築し、食料自給力を強化していく必要があります。

 あわせて、高温に強い米や果樹の品種開発などの、気候変動に適応するための技術開発についても進めてまいりたいと思います。

 以上です。

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