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「「史上最強状態の総理」の開き直り大作戦」

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 我が文部科学委員会も、何とか3月中に予算関連法案2本を仕上げて、4月からは「教育改革」の目玉となる4法案を審議する予定ですので、高市委員長は大張り切りなのでありますが、永田町は暗~い!
 だって、みんな顔を合わせば総裁選挙の話ばかりなんだもん。森派議員と橋本派議員が出会った日にゃ「小泉さん出られるんですか?」「おタクの派は野中さん?それとも橋本さんで決まりそうなの?」と探り合い。

 3月末に、10分間程でしたが森総理と話す機会があり、こんな会話を交しました。

 高市「総理、現在の総理は『史上最強・無敵』の状態ですよ」

 総理「なんだ、そりゃ?」

 高市「今国会では、内閣不信任案は既に否決されましたよね。『一事不再議の原則』がありますから、少なくとも6月までは、総理はたとえ何をやらかしても総理大臣で居られるわけです」

 「一事不再議」というのは、「議院の議決が一回決まれば、同一会期中に同じ問題を再び審議できない」という国会のルールです。つまり、6月までの通常国会会期中に内閣不信任案が出されることは有り得ないので、森総理が自分で退陣表明をしない限り、誰も総理の身分を取り上げることは出来ないのです。

 高市「総理、例え来月あたりに自民党総裁選挙が行われて、新総裁が決まったとしても森総理が『退陣しない』と言い張れば、新総裁は内閣総理大臣にはなれません」

 総理「うんうん、理屈としてはそうだが。それで?」

 高市「総理が居座ると、みんな困り果てます」

 総理「・・・」(明らかにムッとした表情)

 高市「ですからこの際、総理としておやりになりたかった事を全てやっちゃうんですよ!
 『私の政策を聞き入れないなら総理大臣を辞任しないぞ』って開き直れば、総理に退陣して欲しい人たちは何でも飲みますよ」

 総理「例えばどんなことを私にやれと言うんだ?」

 高市「少し過激ですが、元遺族会会長であった橋本元総理ですら実現できずに涙を飲まれた『靖国神社公式参拝』をやらかすとか。総理の公式参拝は、遺族会を始め多くの自民党支持団体の悲願でしたから、喜ばれますよ。一部マスコミには叩かれても、内閣不信任案は出せませんし・・」

 総理「うんうん、面白い発想だな」

 高市「首都移転をホントにやるのか、実はやる気がないのか、政治的な決着もつけるべき時期ですよ。各候補地は誘致運動にお金をかけているのに、東京では着々と官庁街の建て替え工事が進んでいて、莫大な税金使っちゃってますからね。他にも、有事法制やら憲法改正やら教育基本法のように、政治的に大きな対立があって歴代内閣が方向性を打ち出しにくかった課題についても、今の総理ならご発言自由であります」

 総理「ううむ・・」

 高市「それから自民党改革も、総裁としての最後の大仕事じゃないですか?まずは開かれた総裁選挙を指示して下さい。全党員の直接投票で且つ党員票のシェアを上げることで、必ず党は活性化します。今回もしも派閥所属議員の数を数えるだけで結果が見えるような総裁選挙をやらかしたら、森総理がお辞めになったところで参議院選挙は惨敗です。『総裁選挙の手法について現総裁である私の指示を無視するなら退陣しないぞ』って脅かすとか・・」

 総理は最後あきれ顔で私の主張を聴いておられました。「果たして『6月までは史上最強』の立場をどう生かすのか?しかっり見せてもらうで、森総理」と期待していた私がアホやった。それからわずか数日後の4月4日、古賀幹事長と会談した総理は「無条件での退陣表明」をやっちゃったのでした。がっかり・・・。

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