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組閣の日に初めて知ったこと

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 大臣就任から早くも2週間が過ぎました。
組閣翌日が臨時国会開会式というタイミングでしたので、就任早々から衆参両院の本会議や予算委員会への出席と内閣府の公務で朝から晩まで分刻みの日程をこなすこととなり、結構きつい毎日です。このページもなかなか更新できず、申し訳ありません。

 すっかり賞味期限切れの話題ですが、9月26日の組閣当日に初めて知ったことを書きます。これまではテレビで組閣の様子を観るだけの立場だった私には想像もつかなかったことばかりでした。

 第1に、入閣の有無が、官邸への呼び込み10分前まで分からなかったことです。安倍総理から電話を頂いたのは14:50で、官邸への呼び込みは15:00でした。
 平成14年に経済産業省の副大臣に就任した折には、前夜に官房副長官から連絡が有り、「明日は皇居に行けるように和服かドレスを準備して下さい」とのご指示が有りました。     
 男性でしたら、近隣のホテルなどで急遽モーニングをレンタルすることも可能ですが、女性の場合は準備に時間がかかります。和装でしたら小物の用意や着付けの予約も必要ですし、ドレスでもアクセサリーやバッグまで準備が必要です。
 今回、前夜に連絡は無く、「入閣は有り得ない」という前提で普段着のスーツ姿で国会に来ていた私は、大変な思いをすることになりました。僅か2時間余りでドレスやアクセサリーの準備に走り回ってくれた弟の助けが無ければ、皇居に参上することも叶いませんでした。

 第2に、官邸に行くまで、自分が何の役職を拝命するのか想像もつかなかったことです。
 安倍総理からの電話は「高市さんには、私の内閣で働いていただきたいと思っています」というだけのものでした。
 15:00に官邸に出向いてみますと、先に到着されていた入閣予定の先輩議員たちが集まっておられて、順番に1人ずつ総理の部屋に呼び込まれていました。
 私の番が来て入室しますと、安倍総理が私の名前と5つの大臣職名を読み上げられ、同時に5枚の指示書を手渡されました。
 そこには、「科学技術政策担当」「イノベーション担当」「沖縄及び北方対策担当」「少子化・男女共同参画担当」「食品安全担当」という大臣職名が記載されており、それぞれの職名の下に、特に実現を求める政策についてのご指示が書かれてありました。
 正直に言いますと、総理の電話から官邸到着までの数分間で頭をよぎった「自分がすぐにお役に立ちそうな分野」とは違っていたことと、前日まで3名の大臣が担当しておられた仕事を1人でこなさなければならなくなった驚きで、しばし呆然としてしまいました。

 第3に、自分の役職が判明してから記者会見までの時間の短さです。
 全員が総理から指示書をいただき終わった後、官邸内の会議室に集められて総理ご自身の就任記者会見をテレビで観ました。その後、夜の皇居での作法について説明を受けたら、もう16:40頃だったと思います。
 記者会見場の近くの大部屋に移動して、そこで初めて内閣府の幹部と挨拶を交わし、これから私が担当する所管事項の概要説明を受けました。
 全省庁の大臣と幹部が集まった部屋は座る場所も無いほど混み合って騒がしい状態です。
あまりにも多くの担当分野について早口で説明を受けたのですが、「一度に頭に入らないよお」と泣き出したい思いで伺っていました。「記者さんからはどんなご質問が来るのでしょうか?」と尋ねると、「それは分かりません」とのこと。
 新閣僚たちは、17:00から順番に記者会見に臨みました。短い時間で精一杯、自分の決意をお伝えしたわけですが、後でビデオを観て、自分のひきつった表情に落ち込みました。

 第4に、皇居に参上する為の正装への着替え時間がとても短かかったことです。
 私の記者会見が終わったのは17:45頃だったと思います。皇居への出発時間は18:00。既に議員会館内の自分の事務所まで着替えに帰る時間は無く、官邸の面談室を借り、弟が大急ぎで官邸まで運んできてくれたドレスに着替えました。
 この日は低い靴を履いていたこともあって、ドレスの丈は長過ぎ、動くたびに裾を踏んではひっくり返りそうになります。ネックレスにもお店の札が付いたままで、ハサミは無いし・・とバタバタ焦っているうちに、ネックレスは壊れ、弟が応急処置で首に巻きつけてくれました。
 結局、着替え時間は数分間。副大臣就任の折には、記者会見もありませんでしたから、前夜から準備していた和服にゆっくりと着替えたものでした。「弟が運んできたのが和服だったら、完全に遅刻やったなあ」と思いました。
 総理から電話を頂いた14:50以降はお化粧直しも満足にできず、ドレスと合わない口紅の色や乱れた髪を気にしながら、大急ぎで皇居に向かった次第です。

 天皇陛下から認証を賜りました後は、ぐっと気が引き締まり、その後の夜間日程は元気にこなせました。
 皇居から官邸に戻って、初閣議、写真撮影、内閣府に登庁して幹部との懇談、所管事項説明聴取、内閣府記者クラブでの就任記者会見、翌日の日程打ち合わせ・・と続き、帰宅したのは深夜1:30頃だったかと思います。
 
 入閣の日の慌ただしかったスケジュールを思い出しつつ、「初心を忘れず、堅実に良い仕事をやっていきたい」と考えています。
 私は地味なキャラクターで華は無いかもしれませんが、現行の施策や効果をじっくりと分析して地道に新しい政策を組み立てていく作業は得意な方だと思っています。とにかく寝食を忘れて職務に没頭する覚悟です。

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