早苗コラム

7期目の永田町から 平成27年1月~連載中

2017年09月01日

悲願の1つが実現!総務省「国際戦略局」が始動

 本日9月1日、総務省では「国際戦略局」が始動しました。

 去る8月29日の閣議で「総務省組織令」の一部を改正する政令が閣議決定され、今日から施行されたのです。

 

 私が総務大臣在任中に、かなりの時間と労力を割いて取り組んできた案件の1つでしたので、とても嬉しく、後任の野田大臣はじめ閣議決定に賛同して下さった全閣僚、そして政令改正の為の膨大な作業や根回しに走り廻って下さった総務省職員に対し、感謝の気持ちで一杯です。

  

 総務省の組織改編は、総務大臣に就任した翌年の平成27年1月には、強い問題意識を持つに至った案件でした。

 

 総務省は、平成13年の省庁再編で、自治省・郵政省・総務庁・総理府の一部が合併して誕生した巨大官庁ですから、部局の構成や人事も「旧省庁縦割り」となりがちです。

 大臣として仕事をするうちに、「業務の重複による無駄」「他部局との連携不足による無駄」「時代の要請に応えるべき担当部局の不在」などの課題が見えてきました。

 

 組織改編という仕事は、省内の反発を招きかねないことに加え、政令改正は全会一致が必要な閣議決定事項ですから、全ての府省が賛成してくれなければなりません。

 よって、2年半もの時間をかけて、何度も組織図にペンを入れながら、慎重に検討を進めてきました。

 

 多くの課の業務の状況を観察し、情報を集め、様々なファクトを積み上げた上で、太田直樹大臣補佐官(現在はボストン・コンサルティング・グループ勤務)とも何度も相談しながら、今春になって、ようやく「組織改編案ペーパー」を完成させました。

 

 今年4月には、私が、官房長官、内閣人事局長(政務の官房副長官)、事務の官房副長官、財務大臣を訪問して説明を行い、佐藤文俊・前事務次官と山田真貴子・前官房長には「総務省組織令」の改正案と「機構要求案」を作成するよう指示を行いました。

 

 7月の人事後も、安田充・事務次官や林﨑理・官房長をはじめ多くの職員が、大量の書類作成や他府省への根回しに尽力してくれました。

 

 私が作成した総務省の組織改編案は、大きくは2点でした。

 

 1点目は、今回実現した「情報通信国際戦略局」から「国際戦略局」への衣替え。

 

 2点目は、先月の機構要求に盛り込んだ「情報セキュリティ政策局」の新設。

 

 1点目ですが、「情報通信国際戦略局」の名称を「国際戦略局」に変更し、「国際戦略局」に総務省の国際関係事務の総括をさせることとしました。

 目的は、「インフラシステム海外展開戦略の強化と効率化」です。

 

 総務省では、「防災」「情報通信」「放送」「電波監視」「郵便システム」「統計」「行政評価」など、様々な分野でインフラシステムの海外展開に取り組んでいますが、これまでは部局ごとに相手国との交渉を進めてきました。

 

 総務省内の別の部局の海外展開案件であっても、相手国の意思決定権者は同一人物であることもあります。

 各部局がばらばらに同じ国に出張して交渉を進めていくとなると、コストパフォーマンスの点から考えても非効率だと思いましたし、相手国に対するインパクトという点でも、総務省としての総合力が十分に発揮できていないように感じていました。

 

 そこで、情報通信分野だけの国際戦略を担当していた「情報通信国際戦略局」を「国際戦略局」に改称し、総務省が担当する全分野の海外展開戦略を統括させ、「国別のインフラシステム海外展開戦略」を策定し、国際担当の総務審議官や国際戦略局長が一元的に交渉を行えるような体制を作ることを目指しました。

 

 総務省の組織については、平成20年の「情報通信国際戦略局」の設置以降は大きな改正が行われていませんでした。

 当時は、「国際戦略」を担当する局を総務省に設置することについて外務省が難色を示し、「情報通信に限定した国際戦略局なら認める」ということで決着したという経緯も仄聞していました。

 

 今回は、「業務の効率化」を前面に打ち出したこともあり、外務省にも快く賛同をしていただき、改めて外務大臣や外務省幹部の皆様に感謝を申し上げます。

 

 2点目の「情報セキュリティ政策局」の新設については、ハードルが高く、12月にならないと結論が見えません。

 新設を目指した理由は、「情報セキュリティ戦略の強化」です。

 

 総務省は、情報通信行政の所管官庁であるだけではなく、行政管理局では他府省の情報システム管理もしており、自治行政局では自治体など地域情報を扱い、統計局には統計情報システムがあります。

 

 国際的なサイバー攻撃が激化しており、総務省が所管する領域、つまり、省内・自治体・ICT企業、そして、政府全体に関係するIoT・マイナンバーシステム・政府共通プラットフォーム・統計などでも、サイバーセキュリティの強化は喫緊の課題です。

 リスクを最小化する為に「やり過ぎ」ということはない分野です。

 しっかりと情報セキュリティを守れる体制を作り、人材育成にも取り組んでいかなければなりません。

 

 総務省内に「情報セキュリティ政策局」が設新設されることによって、内閣官房NISCの機能も補強され、政府全体のセキュリティ対処能力の強化に貢献できるものと確信しています。

 

 これまでの総務省には「サイバーセキュリティ課」さえ存在しておらず、一部の局に設置された「室」で対応していたという状況でした。

 緊急的な措置として、今年7月に、情報流通行政局に「サイバーセキュリティ課」を創設しました。

 

 また、7月の幹部人事で、政策統括官(局長級)を「情報セキュリティ担当」として配置しました。谷脇康彦・政策統括官は、内閣官房NISCでも活躍していた方ですので、早速、省内全体に目配りをしながら情報セキュリティの強化に取り組んで下さっています。

 

 「情報セキュリティ政策局」の新設については、ハードルが高いと書きました。

 「国家行政組織法」では、政府全体で設置可能な局の数が決まっており、これから新設可能な局の数は残り2つしかありません。

 よって、総務省で1つ新たな局を作るということについて他府省の賛同を得ることは、とても困難な作業なのです。

 

 8月末に「平成30年度機構・定数要求」がありましたので、「情報セキュリティ政策局」の新設については、「機構要求」に盛り込んでいただきました。

 年末に認められたら、来年4月から新しい局が設置されることになります。

 

 道程は相当に厳しいと思いますが、職員の皆さんを困難な仕事に巻き込んだ責任もあり、遠くからですが、応援していきたいと思っています。


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