早苗コラム

7期目の永田町から 平成27年1月~連載中

2016年02月18日

労働力需給から見るICT分野の可能性

 先月末のコラムでも触れましたとおり、完全失業率が低水準を維持しています。

 2月16日に総務省が発表した2015年の労働力調査では、正社員が増加していることが明らかになりました。これは、8年ぶりの変化です。

 安倍内閣が発足して以降、雇用情勢は着実に改善を続けているわけですが、もう一段掘り下げて、「各産業の労働力需給」を見るということも大切な視点だと思います。

 今月2日には、総務省の行政評価局が調査を行って取りまとめた「職業能力開発の効果的な実施に関する行政評価・監視 ~職業訓練を中心として~」の結果が公表されました。

 同調査結果では、成長分野とされる情報系分野などの雇用に焦点を当てています。
 また、この調査結果を踏まえ、公的職業訓練の改善や、育児中の女性等が受講しやすい訓練環境の整備の推進について、同日付で厚生労働大臣に勧告を行いました。

 行政評価局の調査では、21の労働局における情報処理・通信技術者の有効求人倍率が分析されています。

 求人は十分にあり、公的職業訓練で情報系分野のスキルアップを図れる環境にあっても、訓練を終えた方々が就職できていない地域もあり、原因の把握と改善が課題となっています。

 情報系分野では、求人側が求める人材像の職業能力レベルが高度化しているなど、訓練が難しい面もあると思います。

 しかし、情報系分野ならば、例えば育児中の女性等でもeラーニングで在宅のスキルアップを行った後、テレワークで場所や時間にとらわれない柔軟な働き方がをすることが可能かもしれませんので、他の分野よりも有利な面はあると思います。
 「一億総活躍社会」の実現に向けて、知恵を絞らなければなりません。

 また、この調査結果からは、地方創生の課題も浮き彫りになっています。

 21の労働局について、平成24年から平成26年の3ヵ年の情報処理・通信技術者の有効求人倍率の推移を見ると、地域間較差に気づきます。
 ほぼ全ての労働局で値は上昇していますが、地方では依然として情報処理・通信技術者の有効求人倍率が低い傾向にあります。

 これは、ICT関連の「しごと」自体が地方に少なく、都市部に偏在していることの現れです。

 地方創生は、ICT化を促進する人材を各地域に増やすことが、1つの鍵だと思います。
 ICTは、農林水産業や各地域のサービス業などと結びつくことで、その生産性の向上を促すからです。

 大企業等が牽引する最先端の技術は、行政が支援しなくても、民間の活力で伸び続けていくでしょう。

 地方創生を推進する政府にとって大切なことは、このようなICTの急速な進歩のインパクトを、都市部の企業のみで受け止めるのではなく、全国津々浦々に取り込めるよう、地域の事業所のICT化を推進して、素地を作ることではないでしょうか。
 それが、都市部と地域との格差拡大を防ぎ、技術進歩の恩恵を地域に届けるインフラとなります。

 商店街などの地域密着のサービス業が、ICTの進歩に連動して活力を取り戻す。
 そのような未来を描いていきたいと思います。



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