「震災対策よりも選挙運動」の民主党議員への失望
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東日本巨大地震が発生した3月11日以降、自民党議員の殆ど全員が永田町に留まり、「野党であっても、為し得る限りの対応をしよう」という思いで働き続けてきました。
大地震の翌日は土曜日でしたが、私の議員会館の事務所には、多くの個人、企業、団体からご相談やご要望の電話が入り、10日が経過した現在も同様の状況が続いています。
議員会館事務所では、秘書2名と私で電話を受けていますが、どうしても1件当りのご相談時間が長くなり、鳴りっ放しの電話を取り切れず、お話しすることが出来なかった皆様には、お詫びを申し上げます。
先々週末から先週前半にかけては、主に、次のようなご相談が相次ぎました。
「被災地に瓦礫を撤去するための重機を運びたいのだが、警察署が『緊急通行車両確認標章』を発行してくれない」(建設関係団体)
「タンクローリーで被災地に油を運ぶ段取りをしたが、警察署が緊急車両のステッカー(前記の標章)を出してくれない」(運輸関係団体)
「金融庁からは地震保険の支払いを急げと言われているが、全国の契約管理を行う都内のコンピューターセンターが、計画停電の為に業務困難になっている。非常用電源設備を動かそうにも、特A重油が入手できない」(損保企業)
「計画停電と重油不足で、工場が動かせない。政府の緊急融資をお願いしたい」(中小製造業団体)
「東北地方の工場で、納期が迫った製品を運び出せずに困っている。救援物資を積んできたトラックの帰り荷として、首都圏まで運んでもらえないか」(製造業企業)
「患者に必要な薬を製造している東北地方の工場が被災した。生命に係わる状況になる前に、海外からの輸入はできないか」(医療関係者)
「東北地方の親族の安否が確認できない。確認方法を教えて欲しい」(個人・多数)
震災対策について伺った切実なお声を受けて、緊急を要するものについては、直接、担当省庁にお伝えして対応を求めましたが、各省庁も対策に忙殺されている状況ですから、殆どの案件は、自民党政策会議(正副政調会議)の場で発言したり、政調会の各部会長にお伝えしたりして、谷垣総裁や石破政調会長が政府与党に申し入れを行う項目に入れていただくべく、頑張ってまいりました。
ご相談を受けた案件の多くについては、自民党からの申し入れによって、各省庁で運用改善がなされ、順次、解決に向かいつつあります。
特に、ガソリンや重油の不足については、タンクローリー車が被災地に向けて高速道路を通行できるようになり(警察庁)、備蓄の活用や西日本の製油所からの輸送(経済産業省)などの対応がなされることとなりました。
中小零細企業からの公的金融のご相談にも、親切に対応をしていただいています(中小企業庁)。
このような作業の中で、多くの相談者が言っておられたのは、「民主党が機能していないので、与党側で相談できる窓口が無い」ということでした。
衆議院本会議が開催された先週木曜日までは、政務3役以外の民主党議員を見かけることは殆ど無く、衆議院公報を見ても、民主党が震災対策の会議を開いている様子がありませんでした(ここ数日で、慌てて団体ヒアリングなどを開始した模様)。
本来は、最大与党である民主党が、政党として国民の声を集める窓口を機能させ、省庁別に実施するべき対策を整理して、的確に内閣に伝えていただかなければならないのです。野党議員に相談が殺到している状況そのものが、異常なことだと思いました。
私自身は、3月11日以降は週末の選挙区日程も全てキャンセルして永田町に張り付いていましたが、この連休の間に丸1日だけ奈良県に帰り、後援会役員の方々に震災対策の現状を報告し、被災者救援物資提供と募金のお願いをしてまいりました。
その折に、民主党本部の役員でもある国会議員が、震災発生直後の週末にも選挙区でお葬式を廻っていたという話を聞いて唖然。
内閣への影響力を考えると、私たち野党議員が必死で取り組んでいる作業には限界があります。
こんな時こそ、与党議員には、選挙運動よりも国難への対応を優先していただきたいと切望します。