日本の水源林を守る議員勉強会発足!
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今日は、私から自民党所属の国会議員全員に案内を差し上げておりました「日本の水源林を守る議員勉強会」が発足、第1回目の会合が開催されました。
一昨年頃から、「中国資本が、日本の水源林を買収しようとしているようだ」という話が聞こえ始め、私自身も、四国地方などの複数の森林関係者から「中国人が山を買いに来ている」、「山を売らないかと言ってきたのは日本人の仲介業者だったが、依頼主は中国資本らしい」といった話を聞かされておりました。
奈良県では、十津川村と御杖村で同様の事案があったそうですが、水源地であった為、売らなかったということです。
一部メディアがこの問題を取り上げ、東京財団が「日本の水源林の危機」というレポートを発表して警鐘を鳴らして下さっていたのですが、林野庁は「調査をしたものの、事実確認はできていない」というスタンスです。
国土交通省によると、山間部の大規模土地取引面積が過去10年間で倍増しているということだそうですから、何か大きな動きが起きていることは確かだろうと思います。
東京財団研究員の方が大規模な山林買収が起きている理由として挙げておられるのは、「世界的な水資源不足を背景に、日本の水源地を購入し、地下水を確保しようとしている」、「森林が温室効果ガスの吸収源と位置付けられると期待した先行投資」、「山林価格がこれ以上は下がらないと見越し、キャピタルゲインを狙っている」という3点でした。
いずれにしましても、今後どのような動きが出てこようと日本の貴重な水源を守れるように、「備え」として必要な立法をしておくべき時期に来ていると思い、議員立法検討チームとして勉強会を立ち上げたわけです。
森林政策と国家主権問題などに詳しい議員に呼びかけ人をお願いしました。
呼びかけ人は、安倍晋三議員、稲田朋美議員、今村雅弘議員、衛藤晟一議員、江藤拓議員、鴨下一郎議員、下村博文議員、新藤義孝議員、田村憲久議員、中谷元議員、長瀬甚遠議員、古川禎久議員、古屋圭司議員、細田博之議員、丸川珠代議員、宮腰光寛議員、山谷えり子議員、山本拓議員(以上、50音順)と高市早苗です。
森林や土地取引に関係する「森林法」、「国土利用計画法」、「不動産登記法」などの一部条文の適用範囲を広げることを視野に入れながら「水源林保護法(仮称)」といった新規法律案を書くのか、「外国人土地法」の改正で国防と資源保護の両方に対応できる形を作るのか、先ずは法律案の大枠を決めなければなりません。
仮に水源林に特化して土地取引に一定の制限をかけるとしたら、水源林を涵養して下さる森林オーナーに対して如何なる支援措置を盛り込むのか、地籍調査を如何に進めるのか、適正な対日投資を阻む過剰規制と誤解されない為に何が必要なのか、対象となる山林エリアを如何にゾーニングするのか等、多くの検討事項がございます。
仮に「外国人土地法」を改正することとなると、法律の目的や規制対象の変更が必要になります。
「外国人土地法」(大正14年4月1日法律第42号)は、古い法律です。
「国防上必要な地区においては、政令によって外国人等の土地に関する権利の取得を禁止、又は条件若しくは制限を附することができる」(第4条)という規定があるのですが、該当する地区を指定した「外国人土地法施行令」(大正15年11月3日勅令第334号)が終戦直後に廃止されてしまっているので、実効性がない現状である上、法の目的が「国防上の必要性」に限定されています。
法の目的に「資源保護の必要性」を追加するとともに、政令によって指定する地区のゾーニング手法についても熟慮が必要です。
諸外国の土地取引に関する法規制の一覧を入手しましたが、外国人に土地を売るにあたっては相当厳しい制約を設けている国が多くあります。
実に難しい作業ですが、有志議員の知恵を集めて、議員立法作業を進めてまいります。