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外国人参政権阻止シリーズ⑯:相互主義は成り立たない

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 「特に在日韓国人に対しては、地方参政権を付与するべきだ」と主張され、その理由として、「相互主義」を挙げる方が居られます。
 

 これは、「当該国在住の日本人に対して参政権を与えている国家の国籍を持つ在日外国人に対して、同様の権利を付与する」という考え方ですが、私は、「相互主義」を採用すると、現状での選挙権付与対象者数はゼロになるのではないかと思います。
 

 韓国では、2005年(平成17年)6月に成立した「改正公職選挙法」によって、アジアでは初めて、「韓国内居住で永住権取得後3年が経過した19歳以上の外国人」に地方自治体選挙の投票権を付与しました(被選挙権は付与していません)。
 
 外務省領事局によると、韓国で永住権を取得した日本人数は、全体でも6265人だけだということです(平成20年10月1日現在)。
 

 韓国の永住許可要件は非常に厳格で、高額投資家、高学歴、高賃金、韓国への特別功労など、日本に較べるとはるかに限定的な永住許可制度だということです。
 

 その6265人の在韓永住日本人のうち、法改正による投票権付与の要件を満たし得た人は、僅か100名しか居ないといいます。
 

 韓国で投票権付与の対象となった外国人数は、全国籍でも6726人のみで、その内訳は、台湾6580人、日本100人、中国23人、米国14人、その他9人となっています。
 

 民主党政権が参政権を付与しようとしている40万人以上の在日韓国人成年者数とは比較になりません。


 更に、日本では「外国人の選挙運動」は自由ですが、韓国では外国人の選挙運動は禁止されています。
 
 仮に「相互主義という観点から、特別に韓国人には参政権を付与する」という方向性になった場合には、「日本の永住許可要件を韓国並みに厳しくするか、韓国の永住許可要件を緩和していただく」、「日本でも韓国人の選挙運動を禁止するか、韓国でも日本人の選挙運動を解禁していただく」など、日韓条約によって条件を揃えることが必要になると思います。
 

 相互主義の採用については、外国人参政権実現を目指す政党間でも、方針がまちまちなのではないかと思います。
 

 民主党が第148回国会に提出した衆法第2号は、「成人の永住外国人全員」を参政権付与の対象としていました。
 

 公明党が第163回国会に提出した衆法第14号は、「ただし、当分の間、この法律により付与される地方選挙権と同等と認められる地方選挙権を日本国民に付与している国として政令で定める国の国籍を有する永住外国人に限る」としており、同党が第148回国会に提出した衆法第3号よりも参政権付与対象を絞っています。
 

 ところで、韓国では、2009年(平成21年)2月にも「公職選挙法」を再改正し、海外永住者(在日韓国人等)に大統領選挙及び比例代表の国会議員選挙投票権を付与しています。
 また、事業等で継続的に韓国居住をする「国内居住申告」を行えば、選挙区の国会議員選挙投票権、地方の選挙権・被選挙権、国民投票権も得られます。


 つまり、在日韓国人に日本の参政権を付与すると、彼らは日本と韓国の2ヶ国で選挙権を行使できることとなります。
 その是非についても、議論しなければなりません。

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