北澤防衛大臣のがっかり答弁③
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☆平成22 年3 月1 日 衆議院予算第一分科会
☆普天間飛行場移設に係る前政権案の「移設工程表」作業の進行について
○高市早苗分科員
鳩山総理は、この普天間飛行場の移設先について、今でも「ゼロベース」であるという発信をされているかと存じます。
ところが、防衛省は、前政権までの方針でありました辺野古移設の工程表にございます「環境影響評価書の作成」というものを着々と進めて、1月25日に防衛大臣と官房長官が会談をされて、先月中には評価書を提出する方針を固めていたといったことが報道されております。
これによって、仲井眞沖縄県知事は大変当惑をされまして、県内での対応に苦慮をされたということも伺っております。
移設先というのはゼロベースであるはずですのに、防衛省が元の辺野古移設案を前提とします工程表にある作業を進めていたとしたら、これは国民や沖縄県民や、また社民党への背信行為になるんじゃないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
また、これからも、影響評価書の提出も含めて、「辺野古移設を前提とした工程表」の作業を、候補地が決定する以前にも、防衛省は進めていくおつもりなんでしょうか。
以上2点、お伺いします。
○北澤俊美防衛大臣
「環境影響評価書」の取り扱いというのは、おっしゃるとおり極めて重要な課題であります。
ただ、一方で、日米の合意というのは現在も生きておるわけであります。
ここのところがなかなか微妙でありまして、政権がかわって、普天間の代替場所についてだけは、鳩山総理が、これを「沖縄の声、そしてまた国全体の声を聞いてゼロベースで検討し直す」、こうおっしゃっておるわけで、そのことはその通りにしますが、「環境影響評価書」というのは、日米合意に基づいて、あのロードマップの中で2014年を目指して進んできておるわけでありまして、これは極めて政治的な判断を必要とするということの中で、現在まだ提出はしていないということであります。
○高市早苗分科員
つまり、日米合意の中で着々とあの工程表を進めていかれるのかどうかということで、「進めていく方向性だ」という御答弁でよろしいんですか。
○北澤俊美防衛大臣
普天間の代替施設以外は、そういうことであります。
○高市早苗分科員
そうすると、普天間の「辺野古を前提とした工程表」に関しましては進めないということで、よろしいんですか。どっちでしょうか。
○北澤俊美防衛大臣
普天間の辺野古沖に移転するということについては、これはゼロベースで現在検討しているということであります。
現在、キャンプ・シュワブの中で行われている工事は、前政権時代に契約をした事業が進められておるということでありまして、鳩山政権になってからは、このことについて新たに契約をしたという物件はないと承知しております。
《高市早苗の感想》
普天間飛行場移設については、前政権が進めていた「辺野古キャンプ・シュワブ沿岸部への移設案」は鳩山内閣によって「ゼロベース」にされたはずでした。
ところが、防衛省では、前政権の移設「工程表」に記された「環境影響評価書の作成」を着々と進めていたということでしたので、この点を質しました。