衆議院解散の意義
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数ヶ月前に主人と、「まさか『郵便局解散』なんて無いよねえ」「有り得ないよ」「来年の憲法改正論議で『憲法解散』を打って下されば、国家観の違いによる真の政界再編が起こるよね」などと話していたのですが、小泉総理は、その「まさか」の郵政解散を断行されました。
巷には、「この時期の政治空白は避けるべき」「もっと大事な政治課題がある」という声も有りますが、私は、小泉総理が「国民のご意見を聞きたい」とおっしゃったことは間違いではないと思っています。
「政治空白」と言っても、普通は1月の召集日から150日間と定められている通常国会の会期は、既に大幅延長された上で8月13日までとされていました。幾つかの政府提出法案は積み残しになったものの、いずれにしても十分な審議時間は残されていませんでした。
国会は「夏休み」に入るはずだったわけですから、この期間を活用して国民の声を伺うという判断は、決して責められるべきものではないと思います。
「もっと大事な政治課題がある」という声に対して、小泉総理は「この程度の改革ができなくて、他の大きな改革ができるのか」と反論されました。
郵政関連法案の是非については国民の間にも賛否両論のご意見が有ると思いますが、郵政問題は「行革」「規制緩和」全体の方向性を象徴するテーマですから、先ずこの課題をクリアできなければ、次の大きな流れは起こせないのです。
その意味では、「国会休会中に国民の意見を聞いて、小泉政治の方向性が認められたらもっと大きな改革を断行していく。認められなければ退陣する」という総理のご判断を高く評価しています。
また、小泉総理ご自身は、過去の選挙制度改革の議論の折に、小選挙区制導入には反対のお立場でした。
しかし、一旦決まった小選挙区制が、その導入意義を「政権選択選挙」としているからには、政治家に対しても国民に対しても、その意義を尊重する姿勢があるのかどうかを問われたかったのだと思います。
前回の総選挙時にも小泉総理は郵政民営化をはじめとする「構造改革」に言及されていました。「民間でできることは民間に移して、経済を元気にする」「小さな政府を実現する」という方針を記憶されている方も多いでしょう。
その小泉総理を総裁にし、総理にした自民党議員が「『選挙の顔』として、人気者だった小泉さんは有難い存在だったが、政策は別だ」と主張し始めると、今後、国民は何を信じて「政権選択」をしてよいのか分からなくなってしまいます。
自分が選んだ政党の党首が総理大臣になった時に、どんな政策が実現されるのかというイメージすら湧かなくなってきますもの。
小泉総理の厳しい決断は、代議制民主主義における小選挙区制度の意義そのものを国民に問いかける行動なのだろうと想像しています。
当然のことながら、選挙戦が始まると、各党が政権公約を出し、候補者たちも個々に特に強い関心を持って取り組んでいる政治課題には言及しますから、きっかけは「郵政解散」であっても、国民は、日本が直面している多くの課題への対応についても審判を下すチャンスを得られるはずです。
今回選出される衆議院議員は当然に憲法改正論議にも参加せざるを得ない人たちですから、60年近く前とは違った国際環境や国民生活環境の中で、「国家はどうあるべきか」「国民はどうあるべきか」という大きな課題への見識も問われるはずだと思います。
特にテロや邦人誘拐事件の発生、北朝鮮の核の脅威、不法滞在外国人による凶悪犯罪の発生、ネットや電話の匿名性を悪用した新手の犯罪の増加、青少年犯罪の増加、教育行政も含む国と地方の関係の変化等々、憲法と切り離せない問題も多いですから、各党による骨太の議論を期待したいと思います。
巷には、「この時期の政治空白は避けるべき」「もっと大事な政治課題がある」という声も有りますが、私は、小泉総理が「国民のご意見を聞きたい」とおっしゃったことは間違いではないと思っています。
「政治空白」と言っても、普通は1月の召集日から150日間と定められている通常国会の会期は、既に大幅延長された上で8月13日までとされていました。幾つかの政府提出法案は積み残しになったものの、いずれにしても十分な審議時間は残されていませんでした。
国会は「夏休み」に入るはずだったわけですから、この期間を活用して国民の声を伺うという判断は、決して責められるべきものではないと思います。
「もっと大事な政治課題がある」という声に対して、小泉総理は「この程度の改革ができなくて、他の大きな改革ができるのか」と反論されました。
郵政関連法案の是非については国民の間にも賛否両論のご意見が有ると思いますが、郵政問題は「行革」「規制緩和」全体の方向性を象徴するテーマですから、先ずこの課題をクリアできなければ、次の大きな流れは起こせないのです。
その意味では、「国会休会中に国民の意見を聞いて、小泉政治の方向性が認められたらもっと大きな改革を断行していく。認められなければ退陣する」という総理のご判断を高く評価しています。
また、小泉総理ご自身は、過去の選挙制度改革の議論の折に、小選挙区制導入には反対のお立場でした。
しかし、一旦決まった小選挙区制が、その導入意義を「政権選択選挙」としているからには、政治家に対しても国民に対しても、その意義を尊重する姿勢があるのかどうかを問われたかったのだと思います。
前回の総選挙時にも小泉総理は郵政民営化をはじめとする「構造改革」に言及されていました。「民間でできることは民間に移して、経済を元気にする」「小さな政府を実現する」という方針を記憶されている方も多いでしょう。
その小泉総理を総裁にし、総理にした自民党議員が「『選挙の顔』として、人気者だった小泉さんは有難い存在だったが、政策は別だ」と主張し始めると、今後、国民は何を信じて「政権選択」をしてよいのか分からなくなってしまいます。
自分が選んだ政党の党首が総理大臣になった時に、どんな政策が実現されるのかというイメージすら湧かなくなってきますもの。
小泉総理の厳しい決断は、代議制民主主義における小選挙区制度の意義そのものを国民に問いかける行動なのだろうと想像しています。
当然のことながら、選挙戦が始まると、各党が政権公約を出し、候補者たちも個々に特に強い関心を持って取り組んでいる政治課題には言及しますから、きっかけは「郵政解散」であっても、国民は、日本が直面している多くの課題への対応についても審判を下すチャンスを得られるはずです。
今回選出される衆議院議員は当然に憲法改正論議にも参加せざるを得ない人たちですから、60年近く前とは違った国際環境や国民生活環境の中で、「国家はどうあるべきか」「国民はどうあるべきか」という大きな課題への見識も問われるはずだと思います。
特にテロや邦人誘拐事件の発生、北朝鮮の核の脅威、不法滞在外国人による凶悪犯罪の発生、ネットや電話の匿名性を悪用した新手の犯罪の増加、青少年犯罪の増加、教育行政も含む国と地方の関係の変化等々、憲法と切り離せない問題も多いですから、各党による骨太の議論を期待したいと思います。