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テレワークの可能性

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 これ程の猛暑が続くと、電車通勤は地獄ですよね。
駅に着くまでに汗びっしょり、電車内はすし詰め状態でまた汗。「在宅勤務だったら楽なのに・・」なんて思われることもあるでしょう。
 
 政府のe‐Japan戦略Ⅱでは、「2010年までに適正な就業環境の下でのテレワーカーが就業人口の2割となることを目指す」としています。
 テレワーカーとは、「情報通信手段を週8時間以上活用して、時間や場所に制約されない働き方をする人」とされています。広義には社内でITを利用する人等もテレワーカーの概念に含まれるのですが、今後は「在宅勤務社員」や「サイバーオフィス形態の企業経営者」も増えていくことでしょう。
 
 テレワーク普及のメリットは沢山有ります。
 オフィスまでの通勤が困難な障害者の就業機会増大の道も拓けるでしょうし、子育て中の女性や高齢者にとっても有難い話だと思います。
 オフィスで個人の机が占めるスペースの大きさを考えると、企業のコスト削減も出来ますし、家庭の事情で田舎にユーターンしなくてはならなくなった優秀な人材をテレワーク適用で会社に繋ぎ止めることも出来ます。
 通勤ラッシュ緩和、人口分散による都市のCO2削減、大規模災害時の都市機能低下軽減、地域活性化などの効果も期待できます。
 
 一方で、克服すべき課題も多々有ります。
 例えば、在宅勤務では社員の服務時間把握が難しく、在宅時の事故を勤務上の事故と見るかどうかの判断も困難です。
 自宅の回線利用費用の公私の区別やモバイル端末費用の負担にもルールが必要です。
 また、「職場に皆と一緒に居ることの安心感」「職場の雰囲気や直接の対話で得た情報無しでは判断できない事柄も多い」「管理職として人事評価をする時に、近くに居ない人間の評価は困難」「同僚から理解されない」「情報セキュリティーに不安」「自宅に居ると、ご近所から解雇されたと思われる」「自宅では、雑務に中断されずに仕事を出来るスペースが確保出来ない」「一人で居ると、時間や健康などの自己管理が困難」等の声も・・。

 サイバーオフィス型個人事業者にも不安要因が有ります。
 個人の営業力に限界があることから、営業代行機能を持つエージェント組織加入が有効であるものの、優良なエージェント組織に出会えるかどうか。受注に際して必要な信用・実績を示せる認定制度整備の必要性。直接のコミュニケーションが必要であることも否めないが、地方では商談会や交流会の機会がまだまだ少ない等・・。

 テレワークの本格的な普及には、政府による高速大容量プラスチック光ファイバーなどのインフラ整備やセキュリティー対策、人材育成や販路開拓支援とともに、各企業によるテレワーク企業内制度作りが不可欠でしょう。

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