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テロ予告に屈すると「敵の思う壺」

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 悲惨なテロ事件の被害者追悼の為、政府特使の森喜朗・前総理が、23日出発の25日帰国という超強行日程でスペインを訪問されました。
 
 先般スペイン新政権がイラクからの軍撤退を示唆した途端に、日本にもテロ予告が有ったとかで、早々に一部マスコミでは、「テロの不安を感じるか?」「日本の自衛隊はイラクから撤退すべきかどうか?」などという世論調査(・・というより世論誘導)を行っています。
 まさに「テロリスト達の思う壺」の方向に、日本の世論が動き始めそうな危うさを感じています。

 自衛隊派遣前にも、日本の国会では「危険な事が起きたらすぐに撤退するのか?」といった議論が公然と行われており、既にテロリスト側から見れば「恐ろしい目に遭わせれば簡単にイラクから追い出せる国」と映っているわけですから、今後数週間の世論の動向や小泉総理の発言内容は、日本の命運を左右するものとなる可能性が大きいと思います。

 数ヶ月前、イラクでのテロ発生により軍に多数の犠牲者を出したイタリア政府が、即刻、軍の増派を決めて「イタリアにテロを仕掛けても、全く無駄」とのメッセージを打ち出した事は、新たな被害を避ける為に最も有効な手段だったのでしょう。
 一方でスペイン政府の対応は、テロが効果的であると感じさせる残念なものでした。多数の死傷者の無念を思うと、スペイン国民の選択はやむを得ないのかもしれませんが、既にイラクに軍を展開している諸国は、今こそ軍の増派など「テロに屈しない姿勢」をより強くアピールする以外に、自国民を新たなテロから守る方法は無いのだと思います。

 昨年までに原発や政府関係機関の警備は強化されていますが、問題は、公共交通機関や民間集客施設のテロ対策です。手法や人員面から限界はあるのでしょうが、英知を結集して可能な限りの安全対策を打っていただきたいと思います。
 そして、これも行政が人員不足に悩む分野ですが、出入国管理の強化と不法滞在外国人の摘発を急いでいただきたいのです(25万人の不法滞在外国人に対応出来る入国警備官は僅か1070人で、1人の警備官が230人もの不法滞在外国人を探しに行って強制送還しなくては解決しない計算になりますから、容易な事ではありませんが・・)。
 また、国籍を偽っていたり口座に1億円もの送金を受けている不審な外国人(テロリストの疑いが濃厚だと思う)の送還を「人道問題」と称して阻もうとする人権団体や一部マスコミの対応には、大いに疑問を感じています。法治国家として、毅然とした対応を為す事が、国民の安全を守ることになるのだと思います。

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